スイスの主要都市では、空港と市街地の両方にレンタカー営業所があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
場所 | メリット | デメリット |
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空港の営業所 |
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市街地の営業所 |
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チューリッヒ空港(ZRH)では、レンタカーセンターがターミナルに直結しています。ジュネーブ空港(GVA)には、スイス側とフランス側の両方に営業所があります。スイス側のカウンターは到着ロビー階にあり、車両の返却場所はP51駐車場です。バーゼル・ユーロエアポート(BSL)のレンタカーカウンターは、到着ロビーのスイスセクター(スイス側エリア)内にあります。この空港は地理的にはフランス領内にありますが、スイスと直結する専用道路が整備されています。
料金を節約するなら、市街地の営業所で車を受け取り、空港で返却するプランも選択肢の一つです。これにより、空港での受け取り時にかかる追加料金を避けつつ、出発時の利便性も両立できます。
平均して、スイス のレンタカーは1日あたりCHF 83前後で、最安のレンタルは1日あたりCHF 32から利用できます。
受け取りと返却の場所を比較検討する。 チューリッヒ、ジュネーブ、バーゼルなどの都市では、市街地で借りて空港で返却(乗り捨て)すると、空港受け取り時にかかる追加料金を節約しつつ、出発時の利便性も確保できる場合があります。
旅行シーズンに合わせて予約時期を調整する。 7月〜8月の夏季やスキーシーズンのピークには、2〜3ヶ月前の早めの予約がおすすめです。それ以外の時期は、まずキャンセル無料のプランで予約を押さえ、その後料金が下がったタイミングで予約し直すのが有効です。
利用目的に合った、できるだけ小型の車を選ぶ。 コンパクトカーはレンタル料金や駐車料金が安く、燃費も優れています。また、マニュアル車(MT)を選ぶと、通常1日あたり10〜20スイスフランほど料金を抑えられます。なお、冬季はスイスのレンタカーには冬用タイヤが標準装備されています。
有料オプションを見直す。 チャイルドシートを持参する、カーナビの代わりにスマートフォンのアプリを利用する、追加運転者(1名につき1日10〜15スイスフラン程度)の登録を最小限にする、といった工夫で費用を削減できます。
乗り捨て料金を予約前に確認する。 スイス国内の主要都市間での乗り捨て(ワンウェイ)は、追加料金が無料か、比較的安価な場合が多いです。しかし、国境を越える国際ワンウェイは300〜500スイスフラン以上の高額な料金がかかる場合があります。その場合は、同じ営業所に返却するプランの方が安くなることがあります。
乗り入れ規制や駐車事情を考慮して計画を立てる。 ツェルマットのようにガソリン車の乗り入れが禁止されている街では、手前のテッシュ(Täsch)で車を停めて電車で向かうのが一般的です。市街地ではパークアンドライド(Park+Ride)を活用したり、パーキングディスクを使って無料のブルーゾーンに駐車したりするのも良いでしょう。返却時は、追加の給油手数料を避けるため満タン返しが基本です。
スイスの都市部で駐車スペースを見つけるのは、少し難しいこともあります。色分けされた駐車ゾーンを理解しておくことが重要です。
ゾーン | 説明 | 制限時間 | 料金 | 注意点 |
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ホワイトゾーン | 有料の駐車スペース | 標識による(30分〜数時間) | 場所により異なる | 都心部は料金が高め。パーキングメーターでチケットを購入し、ダッシュボードの見やすい位置に置きます。 |
ブルーゾーン | 時間制限付きの無料駐車スペース | 通常、月曜〜土曜の8:00〜19:00の間で最大1時間 | 無料 | 専用のパーキングディスクが必要です。到着時刻の次の目盛り(例:9:10到着なら9:30)に時刻を合わせて表示します。 |
イエローライン | 駐車禁止 / 専用スペース | — | レッカー移動や罰金の対象 | 荷物の積み下ろし、タクシー、特定の企業などの専用スペースです。 |
駐車場(Parkhaus):主要都市には必ず公共の立体駐車場(Parkhaus)があり、旅行者にとっては最も便利な選択肢です。
現地の主な交通ルール:
高速道路のヴィニエット:スイスのヴィニエットは、1年間(前年12月と翌年1月を含む14ヶ月間)有効です。スイス国内で借りるレンタカーには、通常すでにヴィニエットが貼られています。
レンタカーがあれば、こんな旅が楽しめます。 - グランドツアー・オブ・スイス - 湖、ユネスコ世界遺産、絶景の峠道を巡る壮大なルート
レマン湖地方 - モントルー、レマン湖、美しいブドウ畑
アルプスの峠越え - フルカ峠、グリムゼル峠、ゴッタルド峠、グラン・サン・ベルナール峠など
ツェルマット周辺 - テッシュの駐車場を拠点にしたマッターホルン観光
中央スイス - ルツェルンなどの古都巡り
スイスでレンタカーを借りるのに必要なものは何ですか? 有効な日本の運転免許証、パスポート、運転者名義のクレジットカードが必要です。日本の運転免許証はアルファベット表記ではないため、国際運転免許証の携行が必須です。クレジットカードは、デポジット(保証金)の支払いに使われ、通常は実際の請求ではなく、返却時に車両に問題がなければ解除される信用枠の確保(ホールド)となります。
レンタカーを借りられる最低年齢は何歳ですか? レンタカーを借りられる最低年齢は、通常20歳または21歳以上です。25歳未満のドライバーには、多くのレンタカー会社が若年運転者追加料金を適用します。また、会社によっては若いドライバーがレンタルできる車種に制限を設けている場合もあります。
マニュアル車とオートマ車、どちらが一般的ですか? ヨーロッパではマニュアル車(MT)が主流です。オートマ車(AT)もレンタル可能ですが、通常1日あたり10〜20スイスフランほど料金が高くなり、特にエコノミークラスでは選択肢が少ない場合があります。
追加の保険に加入する必要はありますか? レンタル料金には、基本的な対人・対物補償と、車両の損害をカバーする免責補償(CDW)が含まれています。ただし、この基本補償には免責額(自己負担額)が設定されており、損害が発生した場合は約1,000〜3,000スイスフランを支払う必要があります。この免責額を減額またはゼロにするために、レンタカー会社が提供する追加の補償(スーパーCDWなど)に加入するか、ご自身のクレジットカードに付帯する海外レンタカー保険を利用する方法があります。
スイスで借りたレンタカーで、国境を越えて他の国へ行けますか? はい、ほとんどの大手レンタカー会社では近隣諸国への乗り入れを許可しています。ただし、車種や渡航先の国によっては制限があったり、追加料金が発生したりする場合があるため、予約時や車両の受け取り時に必ず旅行プランを申告してください。
スイスの高速道路に通行料金はかかりますか? スイスには料金所がなく、代わりに「ヴィニエット」と呼ばれるステッカーを車に貼る必要があります。年間ヴィニエットは40スイスフランで、スイス国内でレンタルする車にはすでに貼られています。
交通違反や駐車違反の切符を切られた場合はどうなりますか? 違反通知は警察からレンタカー会社に送られます。その後、レンタカー会社が罰金をお客様のクレジットカードに請求し、さらに通常30〜50スイスフランの管理手数料を上乗せして請求します。